広陵の堀田昂佑(こうすけ)投手(3年)が、甲子園史上最も遅い第1球を投じた。午後7時29分。月明かりと照明に照らされた中、この日のプロ野球6試合開始よりも遅く、133キロの直球で試合が始まった。
「今まで経験したことがない景色だった。暗くて、グラウンドに入った瞬間にワクワクな感じでした。ナイターはやったことがなかったので楽しかったです」
普段なら練習が終わって夕食を食べている時間のプレーボール。4回に失策から先制を許しても冷静だった。旭川志峯打線をわずか3安打。1失点完投で勝利に導いた。「勝ててホッとしています。みんなでまとまってやってきたので、みんなで勝つという思いで戦った」。最遅開始を巻くかように1時間46分でまとめ、最遅終了ではなく、5番目に遅い午後9時15分のゲームをセットに導いた。
今年1月に発生した部内での暴力行為を巡り、SNSなどでも大きな騒動となった中で迎えた初戦。堀田も「気持ちを切らさず、目の前の試合を勝つだけと選手でも話していた」と集中して快投につなげた。
試合後、中井哲之監督(63)は「いろんなことがみなさんにご心配をかけた」と神妙に謝罪。「こうして夢の舞台の甲子園に立て、子どもたちが全力でプレーできたことに感謝しかありません。よく頑張ってくれた」とナインをねぎらった。
これで甲子園は春夏通算80勝。松山商(愛媛)と並び歴代5位となった。エース右腕は「1戦1戦勝つだけ。みんなで勝とうと思います」と津田学園との次戦に目を向けた。【林亮佑】

