<春季高校野球:埼玉大会:浦和学院5-0春日部東>◇25日◇2回戦

 埼玉に規格外の大型投手がいた。浦和学院の196センチ右腕・南貴樹投手(3年)が、春日部東戦に先発し、6回を1安打無失点に抑えた。米国人の父を持つ南は長い手足を生かして最速141キロの直球を投げ下ろし、9奪三振。国内4球団のスカウトが見守る前で、将来性を感じさせる投球を見せた。

 南は196センチの長身から角度のあるボールを投げた。6回まで毎回の9奪三振。3回、3四死球で2死満塁のピンチを迎えたが、三振で切り抜けた。森士(おさむ)監督(45)は「高校の間で、なんとか投げられるようになった」と、投球内容に及第点を与えた。

 昨年までは長い手足を生かしきれず、球が荒れたという。「セット(ポジション)もバラバラで、突然崩れることが多かった」(南)。だが、冬場に走り込みと投げ込みを徹底的に行い、変化球の制球も安定した。最速143キロの直球はこの日、141キロを計測。森監督は「全身の筋肉が張ってきた。夏までにどれくらい成長できるか楽しみ」と、背番号10の成長に期待している。

 日本ハムダルビッシュと同じ196センチの身長は「まだちょっと伸びてます…」。米国人の父ロイさん(48)は203センチだけにまだ伸びそうだ。この日は横浜、ロッテ、楽天、オリックスのスカウトが視察。横浜の武居スカウトは「体が大きいけど、しなりもあるし、腕も振れる。今というより、将来性」。まだ粗削りな部分は多いが、秘めた可能性は超高校級だ。【今井恵太】