<高校野球北北海道大会:美唄工・美唄尚栄6-2芦別>◇空知地区3回戦◇6月30日◇岩見沢市営

 合同チームの美唄工・美唄尚栄が芦別を下し、北大会出場へ王手をかけた。南大会出場13度を誇る美唄工は美唄尚栄との統合により、同校の名で出場するのはこの夏が最後。エース貞広圭太(3年)は「それをあまり感じないようにしたが、マウンドに上がって緊張した」と打ち明けた。

 伝統の重みを感じながらのプレーだった。それでも、3回裏無死満塁で2ランスクイズを決めるなど、小技をからめて11安打で6点。貞広も9回を8安打2失点と要所を締め、重圧をはねのけた。合同チームだが、美唄工の3年生8人と美唄尚栄の1、2年生6人の14人は今大会、美唄工のユニホームを着用。試合後は美唄工の校歌を、胸を張って歌った。

 美唄工の林孝幸監督(31)がこの春、部室に65年南大会準優勝を報じた当時の新聞のコピーを張った。主将の岩井涼太捕手(3年)は「昔は強いと聞いたことはありましたが、このコピーを見て具体的になった」と実感がわいた。OBや美唄市民のためにも、少しでも長く戦うことが、ナイン全員の目標になった。

 美唄工としては72年南大会以来、40年ぶりの道大会へあと1勝だ。美唄尚栄の小野寺敬監督(56)は「ここ最近では全道に一番近いところまできた。応援してくれる人のためにも全力を尽くしたい」。美唄工の最終章はハッピーエンドで締めくくる。

 ◆美唄工・美唄尚栄

 美唄工は道立の工業高校として1941年(昭16)に創立。美唄尚栄との統合に伴い11年に生徒募集を停止。現在の3年生が卒業する来年3月で閉校となる。野球部は48年創部。過去の道大会出場は春2、夏13、秋7度。65年には南大会決勝まで進み、北海に1-4で敗れた。美唄尚栄は昨春、美唄と美唄工が統合し、総合学科として誕生。美唄は99年に美唄東と美唄南との統合校として開校した。