第94回全国高校野球選手権(8月8日開幕、甲子園)の南・北北海道大会の組み合わせが5日、決まった。北北海道(14日から、帯広の森)では9年ぶり出場の旭川東が旭川工と旭川対決。旧制旭川中時代から10度決勝で涙をのんでいる「あと1勝」の悔しさをぶつける。

 9年ぶりの北大会切符をつかんだ旭川東の1回戦の相手は、同じ地区の旭川工に決まった。主将の菅原寿樹二塁手(3年)は「対戦していない他地区とやりたかったけど、決まった以上はしっかりやりたい」と気を引き締めた。

 創部110年目を迎えた北の伝統校には「負の歴史」がある。旧制旭川中時代から数えて夏の道大会、北大会決勝に10度進んでいるが、ことごとく敗れてきた。決勝の10度敗退は、全国49の地方大会でも一番多い。69年夏を最後に決勝の舞台からも遠ざかっている。

 同校初のOB監督、小倉貴彰監督(38)は「背負っている意識はあります。歴史を変えたいとも思っていますが、変なプレッシャーは感じません。決勝まで進んだら感じるかもしれないですけどね」と苦笑い。02年の赴任後は「目標は甲子園。目的は人間形成」を指導方針に掲げ、学校生活を重視しながら投手を中心に守るチームを作り上げてきた。

 今年はエース佐野元基(3年)、控えの安井基哲(2年)、遊撃手兼任の関口竣也(3年)と右3枚の継投で挑む。甲子園への挑戦を続けてきた小倉監督が「初戦を勝てれば勢いに乗れる」と話せば、菅原主将も「春の地区で負けた旭川工にリベンジしたい」と力強く続けた。【吉田智秋】