<高校野球北北海道大会:遠軽3-1帯広農>◇17日◇準々決勝◇帯広の森

 遠軽がベンチ入り“18人”で3年連続ベスト4を決めた。15日の初戦(対釧路工)で負傷退場した庄司満三塁手(3年)がチームに合流。打球を顔に受けており、今大会中の復帰は難しいとみられていたが、前日16日に北見市内の病院で再検査の結果、幸いにも異常がなく、早朝4時に遠軽の自宅を出発し、午前7時過ぎに球場入りした。「心配かけてゴメン」と話す背番号5の姿にナインの士気は高まった。

 1番打者として庄司の代役を務めた河合主将は「モチベーションが上がった」。3、5回は先頭で出塁し、いずれもホームに還ってきた。この日は2番手として5回から登板したエース松川も気合が入っていた。「庄司がいると、いないでは違う。(チームに)帰ってきて一体感が出ました」と、最後まで追加点を許さななかった。

 ベンチからチームメートを鼓舞した庄司は、5回から打撃用の白い革手袋をはめて出番を待った。「代打での出場も、あったかもしれないので」。守備に就くのは難しいが、打撃だけならの思いがあった。この日は出場機会がなかったが、地区予選で打率9割と絶好調男の復帰に、佐藤貴之監督(41)も「ベンチにいることが大きい」と目を細める。悲願の甲子園初出場まであと2つ、チームのムードは最高潮だ。