<高校野球大阪大会:桜宮8-1市岡>◇18日◇2回戦◇万博

 桜宮の「矢野2世」こと山野雅之捕手(3年)が、市岡戦で2試合連続となる3打点をマークし、7回コールド勝ちを呼び込んだ。今春大阪で4強入りした「最強の公立校」の主将は、OB矢野燿大氏(43=野球評論家)ばりの頭脳的なプレーが武器。「ぼくらが大阪桐蔭を倒します」と、初の代表にチームをけん引する。

 目標に向かって打ち続ける。5-1の7回1死満塁、山野の右中間二塁打で7-1。最後は相手の暴投で8点目を入れた。7回サヨナラコールドを呼び込んだ主砲は「ぼくらが大阪桐蔭を倒します」と宣言した。

 大阪4強校の看板選手。昨夏は、瓜破小-瓜破中-桜宮と同じ道を歩んだ先輩、元阪神矢野耀大氏が見守る前で決勝打を放った。今夏は主将を務め、123人の部員をまとめる。福原和行監督(48)は「毎日の練習前、各守備位置のリーダーが欠席者を山野に伝えますが、メモを取ることなく覚えてぼくに正確に伝えてくる。頼りになる」と目を細める。

 春先は4番の重責からスランプに苦しんだ。「打ちたい気持ちが強くて身体が前に突っ込むことから始まったんですが、いつもならここが悪いとわかればすぐに修正できるのに、直らなくて」。春の大阪府予選後、フォームを改造。テークバックを小さめにし「意識として、8割くらいでバットを振ってボールをとらえるようにしました」。打撃練習時も1本ごとに、他の選手に形を確認。スランプを脱出した。今夏は1回戦で高校通算29号を含む3打点、この日は犠飛と適時打で3打点を挙げた。

 大阪桐蔭を破ったのは2年前の夏。ライバルはその敗戦も糧に、今春センバツを制覇した。「大阪桐蔭から連打は望めない。出塁できたら何が何でも1死三塁の形を作る。1死三塁に出来たらタイムリー、スクイズ、相手のミスと得点できるパターンが増える」。矢野氏の「頭脳的なリード」をお手本にする山野は懸命に作戦を練る。打倒・大阪桐蔭を目標だけでは終わらせない。【堀まどか】

 ◆山野雅之(やまの・まさゆき)1994年(平6)5月6日、大阪市生まれ。瓜破小3年から「高野大阪少年野球団」で捕手として野球を始める。瓜破中では「加美ウイングス」に所属し、捕手、投手、一塁手を兼任。高校では1年秋からベンチ入りし、2年夏から正捕手。50メートル走6秒6。遠投100メートル。好きな選手は元阪神矢野耀大氏。178センチ、80キロ。右投げ右打ち。