<高校野球宮城大会:聖和学園6-0石巻西>◇20日◇準々決勝◇Kスタ宮城

 聖和学園はラッキーボーイの名川大樹外野手(3年)が3度出塁で勢いをつけ、初の4強入りを決めた。

 初の4強進出の陰に、頼れるラッキーボーイがいた。打順も背番号も「7」の聖和学園・名川。「あまり良い当たりではなかった」という第1打席は遊撃内野安打となり、結果的に2点目のホームを踏んだ。4回無死一塁で迎えた第2打席は、併殺打となりそうな平凡なゴロを、一塁手がポロリ。4打席で3度出塁し「ついてるんですかねぇ」と不敵な笑みを浮かべた。

 吉兆はあった。大会前、コンビニでくじを引くと、大好物のカルピスが当たった。上昇した運気は、グラウンド上でも発揮された。東北学院榴ケ岡との4回戦。痛恨のスクイズ失敗後、見事に犠飛を放ってみせた。「(失敗したら)流れが最悪になると思うんですけど…」と強運ぶりに驚いた。

 運が良いだけではない。小野浩史監督(29)は「一番練習している子。神様は見ているんでしょうね」と“好調”の努力家の活躍に目を細める。04年の創部以来初めて戦う準決勝では、優勝候補の仙台育英に挑む。「日本一を目指しているので、ここは通過点」(名川)。快進撃を続けるチームには、こんな男が必ずいる。