<高校野球新潟大会:村上桜ケ丘6-0新発田農>◇19日◇4回戦◇新発田市五十公野公園野球場

 「越後のダルビッシュ」がついにベールを脱いだ。村上桜ケ丘の椎野新投手(3年)が、新発田農戦で今大会初登板。7回3安打無失点、12奪三振と好投し、8強入りに貢献した。194センチの長身から投げおろす直球とスライダーで、相手打線を手玉に取った。「早く投げたかった。楽しかった」と冷静に振り返った。

 ここまで2試合は、長谷川智哉一塁手(3年)と星野大和投手(3年)の継投で、合計16回を1失点に抑えたため、出番がなかった。椎野は「刺激になった。全力でいこうと気合が入った」と初回にいきなり3三振を奪い、勢いに乗った。

 秋は控え投手も、春の県大会で38回2/3を51奪三振で優勝に貢献した。成長の裏には、巨人加藤を新発田農時代に育てた松田忍監督(63)のアドバイスがあった。「加藤は中2からプロになると目標を定めてやってきた。お前が一生懸命取り組めば、たいがいのものは手に入る」と言われて発奮。あまり欲がない性格だったが「プロも考えるようになった」と意識が変わった。

 それでも松田監督は「調子はうちの中では3番手。もっとよくなってもらわないと」と期待した。椎野の成長が、悲願の甲子園初出場の鍵を握ることとなりそうだ。【塩谷正人】