負けるべくしての戦いをしている。好調ヤクルトが、先発松本健の好投で、たまたま広島が完敗したと総括するなら、そこは根底から考え直してほしい。
まず、今の広島のチーム状況を認識すべきだ。攻撃面ではチーム打率、得点機会、チーム得点など、多くのデータで苦戦を物語る。得点は多くは望めないのだ。DeNA戦のような大勝ちは意識の外に置くべき。つまり最少失点を強く意識した試合の入り方でなければならない。
なのに、岡本-持丸のバッテリーは2回2死二、三塁で投手松本健に、カウント1-2から真っすぐの逆球がど真ん中に入って2点タイムリー。前夜、森下がやはり高梨にタイムリーを許した。連日、同じ過ちを繰り返している。
同じ轍(てつ)を踏むこともある。それは私も理解しているし経験もある。なぜ? という失敗を繰り返すことも、ない訳ではない。だが、4回2死走者なしでも松本健にカットボールをど真ん中に投じて強い遊ゴロ。6回2死二、三塁でも初球をど真ん中に投げてレフトライナーだった。
ベンチも含め、捕手も含め、野手も含め、誰も何も感じないのか。気を付けようとして、それでも起きるのが制球ミス。これは練習するだけ。けれども、意識の欠如は、そのずっと以前のレベル。勝つ気があるのか。そういうジャンルの話になってくる。
冒頭に触れたように、攻撃面での苦戦が予想されるのだ。2点先制された直後の2回裏。連続四球で無死一、二塁。平川のところでただ打たすのではなく、送って1死二、三塁を作る選択肢はなかったのか。
もしかしたら、ヤクルト内野陣は後ろに守り、1点やむなしの判断もあり得た。持丸が内野ゴロで1点差に迫れたかもしれない。しかし、平川は空振り三振。持丸は併殺打であっけなかった。
不調のチームにこれでもかと、苦言を呈しているのではない。中身を見て指摘している。7回にチーム初ヒットが出るが、6回までファーストストライクをスイングしたのは18%。ほぼ見逃している。
初球から振ることで相手バッテリーは警戒し、コースや配球に気を配り、それが奏功し、やがてバッターカウントにつながる。だからと言ってそれでヒットが出るとは限らないが、そんな威圧感を与えることすらしていない。これで勝てる気があるのかと、厳しく言われたとして、今季初の最下位という現実に、何と答えるのだろう。(日刊スポーツ評論家)




