<高校野球青森大会:弘前学院聖愛4-2青森山田>◇21日◇準決勝◇青森市営球場

 弘前学院聖愛が第1シードの青森山田を破り、2年連続で決勝進出。初の甲子園に王手をかけた。

 弘前学院聖愛が横綱相撲で青森山田を倒した。一塁手で先発の3番一戸将(3年)が3打数2安打2打点。左腕投手として5回1死から登板し、2安打無失点に抑えた。チーム全体で、チャンスを確実に生かし、ピンチに動じなかった。点差以上の快勝だ。

 青森山田とは09年夏、11年秋と2度対戦し2敗。三度目の正直だった。「我慢強く、よく戦ってくれた」と原田一範監督(35)はナインをたたえた。ピンチにはマウンド上の一戸に、原田監督が笑顔でピースサイン。「監督さんが笑わせてくれ、落ち着いて投げることができた。打撃でも自分のスイングができた」と一戸は笑顔で話した。

 4番成田拓也外野手(3年)は3回裏2死二、三塁で右越え二塁打を放った。兄の圭祐さん(日本文理大4年)は09年、聖愛の左腕エースで青森山田と2回戦で対戦し、0-2で惜敗。6月下旬には母校グラウンドを訪れ、打撃投手を務めてくれた。弟が見事兄の敵討ち。「自分が打って2点を取れた。うれしい」と成田は目を輝かせた。

 地元出身者で固めた創部13年目の聖愛が、光星と青森山田を連破。同一大会で両校を破ったチームは、両校が台頭してからこれまでなかった。青森球界の新時代到来を予感させる勝利。悲願達成まで、ついにあと「1」だ。【北村宏平】