<全国高校野球選手権:利府4-2佐賀北>◇13日◇1回戦

 初出場の利府(宮城)は、宮城の公立校として31年ぶりの勝利を挙げた。

 利府の161センチ小兵、2年生の万城目晃太外野手が大仕事だ。5回2死二塁から先制の適時三塁打。追いつかれた直後の6回2死満塁では、直球を中前にはじき返す決勝の2点打で3打点だ。「佐賀北は『がばい旋風』と言われる勢いがある。打ててよかった」と笑みを浮かべた。

 「公立で甲子園、そして日本一」。大きな目標を持って入学した。実は仙台育英の中等部・秀光に中3の夏まで通っていた。仙台育英の佐々木順一朗監督(54)からも「うちで頑張ろう」と声をかけられたが、「(09年)センバツ4強の時から利府は憧れだった。文武両道校で勉強も両立したい」と、仙台市内の高砂中に転校して、進学。昨秋11月から5月まで主将を務めたが、自身のプレーに専念するために重責から解放された。今はリードオフマンとしてチームを引っ張っている。

 宮城県の公立校が夏の甲子園で勝ったのは83年の仙台商以来31年ぶり。ナインからの信頼も厚い1番打者が勢いをつけた。