第92回全国高校野球選手権大会が7日、甲子園で開幕する。春夏連覇へ、興南のエース島袋洋奨(3年)が早くもエンジン全開だ。6日に甲子園で行われた開会式リハーサルでは他チームの選手から話しかけられるなどセンバツV左腕として人気は群を抜く。練習では約60球を投げ込み、調整も万全。史上6校目の春夏連覇へ死角はない。

 さすがにセンバツV左腕は注目度も知名度も抜群だ。「あんまり自分から知らない人に話しかけるタイプじゃない」と言う島袋だが、開会式リハーサルでは他チームの選手から声をかけられる場面がたびたびあった。「仙台育英の佐藤(貴規)君と木村君が来てくれて、ちょっと話をしました」と全国の強豪からも一目置かれている。

 7月18日の沖縄大会決勝から約20日。「ようやく開幕ですね」と待ちに待った開幕を迎える。沖縄大会終了後にもう1度フォームを見直し、微調整した。「足を上げる早さを微妙に調整したら、いい球がいくようになったんです」と島袋。4日目の初戦に向けて調整も順調に進めている。この日は直球中心に60球を投げ込んだ。女房役の山川大輔捕手(3年)も「今すごく調子いいです。沖縄大会よりいいぐらい」と認めるほどの好調ぶり。春夏連覇へ向けてスキはない。

 甲子園は4度目とあって「調整の仕方は島袋が1番良く分かっているからね」と我喜屋優監督(60)はエースに全幅の信頼を寄せている。島袋の視線の先にあるのは深紅の優勝旗。ラストサマーは笑顔で終わらせる。【前田泰子】