第92回全国高校野球選手権大会(甲子園)が7日、開幕する。広島代表で2年ぶり20度目出場の広陵は6日午前、開会式リハーサルに臨んだ。今春センバツ4強の立役者・有原航平投手(3年)は「いよいよ夏の甲子園ですね。重圧はありません。試合が待ち遠しいです」と頼もしく言い切った。

 現地入り後も成長曲線は続く。広陵の初陣は大会6日目の12日。聖光学院(福島)との初戦に備え、午後は神戸市内で練習した。中井哲之監督(48)は「投打ともに上向いている。特に丸子の打撃が良かった。難しい球も打っている」と、2年生4番の快音連発に目を細めた。エース有原を支える上野健太投手(3年)も「多少厳しい球でも打ち返してくる」と苦笑い。

 「原爆の日」のこの日、選手は午前8時15分から1分間、広島の方角を向いて黙とうをささげた。大阪出身で主将の福田周平内野手(3年)は「広島に来てから原爆のことをより考えるようになりました。平和だからこそ野球ができる」と話した。共通の思いを胸に、広陵ナインが悲願の夏Vへと前進する。【佐藤貴洋】