<全国高校野球選手権:鹿児島実15-0能代商>◇13日◇2回戦

 鹿児島実伝統の「桜島打線」が甲子園で大爆発だ。23安打で15得点。2年前の甲子園で初戦の日大鶴ケ丘戦でたたき出した14得点の県勢最多得点記録(94年樟南とタイ)を更新し、最多得点を樹立。県勢夏60勝目をド派手に決めた。「次が怖いぐらいよく打ちましたね」と宮下正一監督(37)が驚くほど打ちまくった。

 1回、先頭藤田の左前打で幕を開けた攻撃は先発全員安打、毎回安打を記録した。6番揚村は4安打1打点と大暴れ。夏の大会前まで4番だっただけに「大舞台に強いという自信はあります」と4番復帰を強烈にアピールだ。

 鹿児島大会準決勝の前日、W杯日本代表のMF遠藤保仁(30=G大阪)から「野球部の準決勝が明日行われますが、ぜひとも頑張ってもらいたいです」と激励を受けた。パラグアイ戦ではPK戦を日本代表と同じように肩を組んで応援。偉大な先輩の魂はナインの心に刻まれた。

 次は九州学院戦。「鹿実はサッカー部の方が有名なので、サッカー部に負けないように頑張りたい」と藤田主将は口元を引き締めた。【前田泰子】