<全国高校野球選手権:北大津9-3前橋商>◇14日◇2回戦

 北大津(滋賀)の打線が好調だ。同点の7回1死一、二塁。サインはヒットエンドラン。3番山口元気捕手(3年)が低めのスライダーをさばき、三塁線を破る二塁打で勝ち越した。「まだ痛かったですよ。僕は左足上げて打つのに、上がらんし…」というほどの激痛と闘っていた。2回の守備でファウルがワンバウンドし、股間(こかん)を直撃。仲間に背負われ、ベンチ裏に引っ込み、6分間、アイシングを受けて戻ってきた。「意識が飛びそうになった。『男の痛み』です」と、患部を氷で冷やしながら笑っていた。

 山口だけじゃない。5番北野は1試合個人最多タイ記録の3二塁打を含む4安打。「恐怖の9番」村井は、2戦連発の先制ソロを左翼席へ運んだ。甲子園2試合連続18安打で、1回戦で完封した前橋商・野口を攻略。初の3回戦進出に宮崎裕也監督(49)は「チームとして弾みがつく」と笑いが止まらない。01年大会で準優勝した近江以来6度目となる滋賀県勢の夏2勝。過去の滋賀代表のイメージとひと味違う“猛打の北大津”が突っ走る。【加藤裕一】