<全国高校野球選手権:興南6-5報徳学園>◇20日◇準決勝

 報徳学園(兵庫)の背番号11の1年生田村伊知郎がむせび泣いた。7回表に5点差を追いつかれて1死三塁。エース大西からバトンを受けたが、4番真栄平への初球、135キロの内角直球で勝ち越し打を浴びた。「もっといい球はあるかもしれないけど、あの時のベストボール」と悔しさをにじませた。2回2/3を3安打無失点で初めての夏を終えた。リードを守れなかった大西は「勢いに乗せたら、ものすごく怖かった」と振り返る。椎間板(ついかんばん)ヘルニアで試合中は立っているのが精いっぱいだった永田裕治監督(47)は「やれることは全部やりました。向こうの力が上でした」と潔かった。