無礼講じゃ~! 広島ドラフト6位つくば秀英・長井良太投手(17)が2日、茨城・つくば市内の同校で、尾形スカウト、高山スカウトから指名あいさつを受けた。対戦したい選手には阪神ドラフト1位の白鴎大・大山悠輔内野手(21=つくば秀英)を挙げ「抑えたい」と腕を回した。タレント照英似の快速右腕が、先輩をなぎ倒す!

 いわば雲の上の存在。しかしグラウンドに立てば指名順位やキャリア、まして年齢は関係ない。ドラフト6位の長井は、対戦したい選手を問われ、即答した。「大山選手です。負けたくない。同じ高校出身ですけど、球団が違う。全力で抑えにいきたい」。タレント照英似の笑顔で、はっきりと虎のドラ1の名前を出した。

 学年は4つ違いで、同時期にユニホームを着たことはない。しかし長井が1年の冬に白鴎大の練習を見学。「左右どこにでも打ち分けていた。体が大きいし、力強い打撃がすごく印象に残った」。大山が頻繁に母校に訪問していたことも重なり、意識するようになった。会話もしたことがないという“一方的な”ライバル心。入り口は下でも、ドラ6からまくり返す。

 2人の恩師でつくば秀英の森田監督も「大山にも長井にも早く1軍の舞台に上がってもらって。対戦が見られれば最高。何とか学校に休みをもらってでも、見に行きます」とにっこりだ。コーチ時代を含めると、ソフトバンク山田、オリックス塚原ら6人の投手をプロに送り込んだ。そのなかでも長井を「素材としては今までで最高だと思います」と太鼓判を押した。

 好素材だ。最速149キロの直球に、スライダー、カーブ、フォークを操る。スムーズな体重移動が特徴で、リリースが強い。中学まで捕手と投手歴は浅く、伸びしろも十分。担当の尾形スカウトも「姿勢から立っている姿にセンスがある。上背もある。2、3年後に戦力になれるように。チームとして育てていければ」と評価する。主砲新井も、守護神中崎もドラフト6位から成功した。たたき上げの広島に身を置き、長井が成り上がる。【池本泰尚】

 ◆長井良太(ながい・りょうた)1999年(平11)1月15日、兵庫・神戸市生まれ。兄の影響で、幼稚園で野球を始める。長田南小時代は真陽少年野球団に所属。長田中では軟式で捕手。野球塾にも通った。つくば秀英で投手転向。1年秋からベンチ入りし、2年秋からエース。座右の銘は「一生懸命」。家族は母と兄。遠投130メートル、50メートル6秒3。181センチ、78キロ。右投げ右打ち。