侍ジャパン同士の戦いに負けるわけにはいかなかった。第2打席では初球から2球続けて自己最速タイの157キロをマークするなど、容赦なく刀を振りかざした。「日本の4番を打つ素晴らしい打者。何とか取りたかった」と一刀両断。9回にも2個の三振を積み上げ、12奪三振に2失点完投と完璧にDeNAを撃破した。

 自身7連勝でハーラートップ8勝目を飾り、チームの連敗を3で止めた。昨春キャンプでは小栗旬出演のドラマ「信長協奏曲(コンツェルト)」のDVDセットを購入し、松井裕らとホテルの部屋で鑑賞する日々を送るほど信長の血が自身にたぎっていた。滋賀から日本、さらに世界へ-。天下無双状態の「NORIMOTO」が、歴史に名を刻んだ。【栗田尚樹】

 ▼則本が4月19日西武戦から8試合連続2桁奪三振。前回更新したプロ野球記録をさらに伸ばした。8試合連続2桁奪三振は99年ペドロ・マルティネス(レッドソックス)と、クリス・セール(現レッドソックス)がホワイトソックス時代の15年と今季の2度マークした大リーグ記録に並んだ。大リーグの2人は8試合の期間中、敗戦投手を挟んでいるが、則本は7勝0敗。4月26日ロッテ戦から7戦7勝だが、すべて2桁奪三振の7戦7勝は近代野球とされる1900年以降、大リーグでも達成されていない快挙だ。シーズン8度の2桁奪三振は14、16年の7度を上回る自己最多。