神宮花火大会じゃ~! 広島打線が2戦連続の本塁打攻勢でヤクルトをねじ伏せた。菊池涼介内野手(27)の1試合2発をはじめ、鈴木の17号、会沢の3号と計4発の乱れ打ち。11安打8得点で快勝した。2戦合計では8発、26安打17得点の猛打祭りだ。セ・リーグ50勝一番乗りで貯金は最多の22。2位阪神に今季最多の9ゲーム差をつけた。カープの独走が止まらない。

 強い、強い。広島打線が止まらない。花火大会第2章の開演は1点リードの3回。先頭の菊池が、1ストライクからの2球目をバックスクリーンに運んだ。前日の新井の代打逆転決勝3ランとほぼ同じ着弾点だ。“祭りの後”とはならず、1死となってから鈴木が左翼へ17号ソロ。先発薮田を打線が援護した。

 その後も花火は豪快かつ、効果的に打ち上がった。3点リードの6回には1死一塁から会沢が右翼スタンドへ3号2ラン。「打撃のバロメーター」と語る逆方向への1発だ。左半分を真っ赤に染めたファンに、目先を変える「サービス」付き。さらに2死二塁としてからは再び菊池だ。第4打席で今度は左翼へ豪快な2ラン。14年8月12日ヤクルト戦(マツダスタジアム)以来、2度目の1試合2発で仕上げた。

 菊池は1打席目に一塁へ犠打。3打席目には二塁打を放った。技術も力も一級品の職人は「僕が打った、打たないよりも、チームが勝つか勝たないか。良い流れで勝ててよかった」と淡々。「チームのために出来ることをやるだけです」とむしろ気を引き締めた。チームはここ2試合で8発。緒方監督も「打線はしっかり自分のスイングをして、最高の結果を出してくれている」とほめたたえた。

 導火線に火をつけたのは、他でもない切り込み隊長の田中だった。1回の先頭で、プレーボールから粘りに粘った。15球目を左翼へ運ぶ二塁打。緒方監督が「広輔のあの姿から攻撃につながった」と言えば、石井打撃コーチも「今日も行くぞ、というのを見せてくれた。粘った打撃でリズムが出来た」と絶賛した。

 投打に圧倒し、3連勝で貯金は今季最多の22。リーグ最速の50勝に到達した。2位阪神とのゲーム差は9まで広がった。50勝一番乗りは過去5度あり、そのうち4度が優勝。ただ緒方カープは気を抜かず、目の前の一戦を大事に戦っていく。【池本泰尚】