巨人の「中年の星」が土壇場で輝いた。途中出場の相川亮二捕手(41)が1点を追う9回2死一、三塁、左中間にサヨナラ逆転適時二塁打を放った。サヨナラ打はヤクルト時代の11年以来6年ぶりで、15年の巨人加入後は初。41歳0カ月でのサヨナラ打で、球団の最年長記録を60年ぶりに更新した。チーム最年長の一撃で7月を3連勝で締め、3位のDeNAに4ゲーム差とした。

 プロ23年目のベテランが我を忘れた。二塁付近でサヨナラ勝ちの瞬間を見届けると、相川は思い切り両手を挙げた。笑顔の後輩たちが遠慮なく、襲いかかってきた。ユニホームの上着の裾が出るほどもみくちゃにされたが、それも心地いい。巨人移籍後初の劇的打で、球団の最年長サヨナラ打記録も60年ぶりに更新。お立ち台から歓喜のスタンドを見回し「本当に最高の景色です」と素直な言葉を並べた。

 経験に裏打ちされた読みがさえた。8回に代打で登場し、9回2死一、三塁で迎えた2打席目。相手はDeNA山崎康。「直球から入って、高めの球、外の甘いところにシンカーが来る」と打席をイメージした。高めカットボールは想定内だったが、弾道は想定外の左中間に飛んだ。「1点入れば同点ということしか頭になかった。長打はほとんど頭になかった。こんな結果になるとは想像できなかった。オヤジでもまだまだできるんだぞ、というところを見せたかったのでうれしいです」と笑った。