巨人の育成選手、田中貴也捕手(24)が支配下選手への昇格の有力候補となっていることが30日、分かった。今日31日が今季中の支配下登録の最終期限日。現在は70人の支配下枠のうち、69人を登録しており、ラスト1枠に若手捕手の名前が挙がっている。

 田中貴は入団3年目。守備には安定感があり、元気印も定評だ。今春は育成捕手として球団史上初めて1軍春季キャンプに参加した。オープン戦でコンビを組んだマイコラスも「彼はとても投手を気持ち良くさせる」と高評価。開幕後も2軍の捕手陣では最も実戦に出場し、39試合で打率2割5分3厘と打撃でも成長を見せていた。チームは小林が正捕手に就いているが、第2捕手はベテラン勢が多く、田中貴が昇格すれば競争の活性化も促せる。

 今季は育成から篠原が4月に昇格し、中継ぎで1軍デビュー。28日に青山、増田が昇格している。12年シーズンに巨人、ソフトバンクが育成4選手の昇格を果たしているが、元支配下選手も含まれており、支配下登録経験のない育成選手4人の昇格となれば、球界初となる。育成力を問われている現状で、球団方針を象徴するような出来事になる。