猛虎にニュースターの誕生だ。阪神ドラフト1位の大山悠輔内野手(22)が、新人では球団史上初めて4番で本塁打を放ち、チームを5連勝に導いた。2試合連続で4番に座り、2点差に迫られた直後の3回、左翼へ6号ソロ。猛虎に絶えて久しい和製大砲誕生を予感させる完璧アーチだった。首位広島も勝ち5・5差は変わらないが、今日3日も勝って週明けからの直接対決3連戦に臨む。

 大山は、ベンチに戻るとすぐ、黄色のタオルで大粒の汗をぬぐった。それは4番を任された22歳が、重圧から解き放たれた瞬間だった。2点差に迫られた3回1死、初球を迷いなく振り抜いた。高弾道を描いた白球はグンと伸び、左翼席に突き刺さる。6号ソロは貴重な追加点となった。「あの展開で1点を取るか、取れないかで全然違うんで」。謙虚に語る背中が大きく見える。

 何事にも焦らず、じっくりと打ち込むタイプだ。そんな大山の性格と、球団が用意した育成プランがうまくマッチしている。