頼むぞ、藤浪、逆転Vの扉をこじ開けてくれ! 阪神は今日5日から、6・5差で追う首位広島3連戦(マツダスタジアム)に臨む。3連勝しなければ自力Vが消滅し、広島に優勝マジックが点灯する土俵際。金本知憲監督(48)はローテを組み替えてまで、大事な先発先陣を、中8日で藤浪晋太郎投手(23)に託した。今季は大不振のシーズンだったが、最重要局面で総決算のリベンジチャンスが巡ってきた。勝て藤浪、男の意地を見せてくれ!

 絶対に落とせない。藤浪の肩にすべてが託された。甲子園に現れた右腕は終始、緊張した面持ちだった。キャッチボール、ゴロ捕球、ダッシュメニューを丁寧に消化。広島3連戦の先陣を切る。その意味を十分に理解している。燃えたぎる思いを抑え込むように、冷静に思いを語った。

 藤浪 強い相手なので、しっかり頑張らないと。自分のボールを投げられるか。そこに集中したい。

 首脳陣にとっても今季最大級の勝負手だ。藤浪は前回8月27日巨人戦(東京ドーム)に登板。そこから中8日の登板になる。わざわざ藤浪を広島初戦にぶつけるために、先発ローテーションを再編。それだけ藤浪に対する期待が大きい。そして、9・5広島戦を重要視していることが分かる。虎将も胸の内を明かした。

 金本監督 そういう意味を(藤浪も)分かってくれていると思うけどね。(調子が)戻ってくれないと。前回、良かったからね。

 この男が勝てば一気に勢いづくに違いない。約2カ月の2軍調整から復帰した8月16日広島戦は4回2/3を3失点、7四死球と精彩を欠いたが、前回の27日の巨人戦は6回1/3を3失点9奪三振。白星こそつかなかったが、重量打線を沈黙させ、復活を予感させた。藤浪自身、今季は大不振で3勝止まり。すべてを総決算するリベンジマウンドになる。

 藤浪 しっかりと投げたら(結果も)ついてくる。しっかりと勝ちにつながる投球がしたい。

 白星3つを全力で取りに行く。初戦の藤浪に続き2戦目に岩田、3戦目は秋山を投入。香田投手コーチは「監督も含めて力のある投手を広島にぶつけたい意向がある」と明かした。3日中日戦は守備のミスもあって連勝は5で止まったがチームは好調をキープ。4番抜てきの大山ら、若手野手の活躍で打線は活性化しているだけに、より先発陣のデキが明暗を分ける。

 3連戦で3連勝しなければ自力Vが消滅し、広島にマジックが再点灯する。引き分けも許されない。金本監督は「選手がそう思ってくれているでしょう」と底力に期待した。勝つしか道は開けない。ミラクル逆転Vへ、藤浪が男の意地を見せる時が来た。【桝井聡】

 ▼阪神は今日5日の広島との直接対決で△または●のとき、今季の自力優勝の可能性が消滅する。阪神●なら広島にM12、△ならM13となる。阪神の自力Vが消滅すれば今季4度目。