目標は日本シリーズでの清宮封じ! 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が26日、都内で開催され、今夏甲子園に出場した北海の148キロ右腕、阪口皓亮投手(18)がDeNAから3位指名を受けた。同校から直接、育成枠以外でドラフト指名を受けたのは、85年ロッテ6位・有倉雅史以来32年ぶり。

 阪口が夢への1歩を踏み出した。北海の校長室でテレビ中継を見ながら吉報を待っていた。「DeNA、阪口皓亮」。自らの名前が告げられると、すっと立ち上がり直立不動となった。部長から握手を求められ、我に返った。「握手をして、あ、選ばれたんだと。そのときに実感しました。ずっと選ばれなかったらどうしようかと不安ばかりだった。ほっとしました」。集まった約50人の報道陣のフラッシュを浴び、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 第1目標は謙虚に「まずは3年以内に1軍で投げられるように」と掲げた。さらに、将来の投手像に言及した。「体力をつけ先発して9回を投げきれるような投手に」。プロとしての自信をつけた後は、同学年のスターを倒しにいく。「球団を代表する投手になって、胴上げ投手になりたい。まだイメージは湧かないけど、いつかは清宮君と対戦したいですね」。日本ハム1位指名の清宮と、高校3年間を過ごした北海道に戻り、日本シリーズで対戦する日を心待ちにした。

 前夜、女手ひとつで育ててくれた母京子さん(42)から無料通信アプリのLINE(ライン)で「あなた以上に私が緊張しています」と届いた。阪口は「僕も負けないぐらい緊張している」と返した。今夏の南北海道大会決勝で救援してくれたエース多間隼介投手(3年)からも届いた。186センチの阪口と166センチの多間。互いを凸凹コンビと呼んでおり「凸、頑張れよ」と励ましの言葉が届いた。母が、ライバルが、自身の運命の日を、自分のことのように気に掛けてくれていた。

 「母には今までありがとう。これからもまた支えてくださいと伝えた。多間は、彼がいなければ、甲子園でのアピールもなかった。プロへの道をつくってくれた仲間に感謝したい」と強い口調で話した。1人では届かなかった夢。大投手になり、100倍にして恩返しする。【永野高輔】

 ◆阪口皓亮(さかぐち・こうすけ)1999年(平11)8月15日、大阪市生まれ。大阪・三軒家東小2年時に三東ベアーズで野球を始める。北海では2年春にベンチ入り。昨年10月、岩手国体の木更津総合戦で全国大会デビュー。家族は母京子さんと兄、妹。右投げ左打ち。186センチ、77キロ。