僕も「阿部ノート」が見たいです! 巨人ドラフト2位の大阪ガス・岸田行倫捕手(21)が26日、兵庫・宝塚市内で行われた母校・報徳学園壮行会に出席。阿部が約20年の捕手経験から培った自身の考えをまとめた「阿部ノート」伝授を熱望した。

 正捕手のあるべき姿を学ぶ。今年1月、阿部が自主トレをともにする小林へ渡したA4用紙4枚分のノートには配球論、心構え、キャンプでの過ごし方など金言がちりばめられていた。小林は「阿部ノート」をきっかけに今季、巨人、日本代表の正捕手に定着し、自身初のゴールデングラブ賞も獲得。阿部の金言が成長を促した。

 先輩に追いつき、追い越すため、プロの技を盗む。高2まで遊撃手兼投手で、捕手歴は4年と浅い。経験不足を補うため、父辰則さん(53)の高校時代の1学年後輩である元ヤクルト古田の動画でリードを研究。今年から相手打者の特徴を記録したノートをつけ始め、試合中もメモを欠かさない。それでも「初めて球を受ける投手ばかりで、データも今以上に細かくなる。長年プロでやっている捕手が、何を考えているか知りたい」と向上心は尽きない。

 阿部とは23日のファンフェスタで遭遇した。ただ「オーラがあって、怖くて話しかけられませんでした…」とおじけづいた。それでも「引き出しを増やすために、積極的に話を聞きに行きたい」とリベンジ宣言。大先輩の助言を糧に、巨人の扇の要へと成長してみせる。【桑原幹久】