真のエースへ! 広島野村祐輔投手(28)が26日、広島市内の商業施設でトークショーを行った。今季は週の頭の火曜日に先発するケースが多く、敵軍のエースとの投げ合いが多発。勝ち星こそ9勝にとどまったが、防御率は2・78。イニングも155回1/3を投げた。柱の証しでもあるカード頭を来季も渡すつもりはない。イニング、防御率も上を目指し、完全なエースを目指す。

 応募1200人の抽選から選ばれた100人のファンの前で、野村は岡田とともにマイクを握った。ほとんどを占めた女性ファンの前で約1時間のトークショー。笑いに包まれた後だったが、取材に応じると野球モードに戻した。真っすぐ前を見つめ「防御率も、イニングも、もっとのばしていきたい」と来季への抱負を語った。

 今季は登板25試合中、21試合が月曜日、火曜日の登板。投手陣の柱のあかしでもある週頭の登板を、体を張って守ってきた。「去年は黒田さん、ジョンソンがいて、ある意味守られていた。今年は後ろの5試合を考えて少しずつ考えられるようになった」と振り返る。6連戦の初戦で、チームの勝敗は1週間を左右すると言っても過言ではない。出来るだけ長いイニングを、勢いづけられる投球を、と考えた1年だった。

 16勝を挙げた昨季と比べ、今季の白星は9勝にとどまる。だが防御率はリーグ4位の2・78。投球回は2回2/3伸ばした。来季へ向けて「投げた日に勝っている投手に。1試合1イニングは伸ばしたい。試合展開もあるけど、それでも任してもらえる投手にならないといけない」。接戦の中盤で代打を送られることも多かった今季。試合を任される文字通りのエースを目指していく覚悟がある。

 快感も野村をアシストする。敵軍のエース級との対戦は「プレッシャーもあるし、チームが勝つためにも先に点はやれない。でも投げ勝つのはうれしい。そういう(週の頭を任される)投手でいたい」。秋季キャンプではブルペンに入らず、ノースローを貫いた。オフは継続してウエートを行う予定で「(昨季の自分を)超えていかないといけない」と力が入る。柱からエースへ。野村は歩み続ける。【池本泰尚】