4番任せろ! ドミニカ共和国出身のサビエル・バティスタ内野手(26)が同郷のアレハンドロ・メヒア内野手(24)と来日し、28日に広島入りした。6年契約2年目のバティスタは大ブレークが期待され、緒方監督も4番候補に挙げる。もちろん本人も以心伝心。鈴木、松山、新井、エルドレッドらとの激しいチーム内競争を制し、「打率2割8分、30発、100打点」を達成してカープ史上初のV3を導く意気込みだ。

 雪が降り続いた広島の寒さを吹き飛ばすように、言葉は熱を帯びた。バティスタとメヒアは、ドミニカ共和国から3本の飛行機を乗り継いでようやく広島入り。それでも疲れを見せず、オフは母国でのウインターリーグ(WL)に参戦していた2人は「いろんなメジャーリーガーとプレーして、いろいろと学ぶことができた」と声をそろえた。

 バティスタへの期待が膨らんでいる。昨年は育成から支配下登録され、6月に初打席から2打席連続代打アーチの衝撃デビュー。61試合で11本塁打を重ねた。緒方監督は優勝旅行先のハワイで、4番バトルの本命・鈴木への対抗馬に挙げたほど。この日、それを伝え聞いたバティスタ本人は「そう言ってもらってうれしいし、4番を任されても戦える準備をしていきたい」と頼もしげに語った。昨季は公式戦とCSで1試合ずつ4番を経験も無安打。「他の打順と違いを感じた。上位3人をホームにかえす責任感が必要」と重責を認識したことも大きい。

 WLでは韓国ハンファから阪神新入団のロサリオとも戦った。メジャー経験も豊富な母国の先輩だが、バティスタは負けるつもりはない。「韓国で成績を残したのは分かっているが、日本ではどうなるか分からない。ロサリオ以上に頑張っていきたい」と宣言。緒方監督は今月18日のパーティーで金本阪神を警戒し、特にロサリオに注目していることを明かした。バティスタが上回る活躍をすれば、3連覇に近づく。

 オフは昨秋キャンプから課題とした守備にも意欲的に取り組んだ。内野手登録ながら左翼の有力候補。今年の目標は「打率2割8分、30本塁打、100打点以上」とした。WLで同僚だったパイレーツのオールスター外野手、スターリング・マルテからは「やっていることを続ければ大丈夫」と太鼓判を押され、自信を深めた。驚異のパワーを誇る大砲が、まずは春季キャンプから4番への道をアピールする。【大池和幸】