ホークスの野村克也総監督が、41年ぶりに南海のユニホームをまとった。「このユニホームは大嫌い。これにお世話になって、これに裏切られて、半分半分。感謝と憎しみと」。1977年(昭52)に球団ともめて選手兼任監督を解任されて以来の着心地をボヤいた。試合中はONへの大歓声が起き「何年たっても、相変わらずON。プロ野球界を支えているとはすごい」。巨人やONへの思いは今も「月見草」のままだった。

 「見ての通り、試合は本当につまんない。年寄りばかりがやっているんで」。そう毒を吐きつつも「昔を思い出して楽しい時間を過ごさせてもらった。ファンの人もうれしいと感じているなら続けてほしい」と願った。戦後初の3冠王に輝き、兼任監督も務めた1日限りの南海野村の復活。2度と見られないと思っていた鷹党にも夢のような時間となった。