ソフトバンクが昨年まで同僚だった中日松坂にやられた。5回を3安打で1点に抑え込まれた。交流戦でセ・リーグに3連敗するのは12年以来6年ぶりだ。

 立ち上がりから塁上をにぎわしたが初回は2死満塁から松田が中飛。2回は1死満塁から中村晃、柳田が連続三振。2回に相手野選で1点を挙げたが、5回まで9残塁と攻めきれなかった。工藤監督も「要所、要所でいいところにボールが決まっていた」とほめるしかなかった。昨年まで3年間総額12億円(推定)で在籍し右肩痛のため0勝だった。ホークス時代に手術し、地道にリハビリを続け復調したことを、白星をプレゼントする形で証明した。

 松坂を慕っている千賀も投げ合いを楽しみにしていた。だが、同点の4回、1死から連続四球を出した時に両足のふくらはぎ、股関節がつったため1度治療のためベンチへ。戻ってきた直後に高橋に決勝の勝ち越し4号3ランをたたき込まれた。千賀は「大輔さんをグラウンドで見るのは初めて。有意義な時間になると思ったが…。(本塁打は)絶対にやっちゃダメ。最悪。野手のみなさんとチームに申し訳ない」と下を向いた。

 これまでのように右腕、右肘の故障ではないため工藤監督も「次回も普通に投げてくれると思う」と、再び離脱することは避けられる見通しだ。松坂降板後に1点差まで詰め寄ったが競り負けた。中盤にこの日休養でスタメンを外していたデスパイネを代打に起用するなどしたため終盤は駒不足となった。「みんな頑張って負けた。出し尽くしたので悔いはない」。工藤監督は悔しさを押し殺した。首位西武とは5・5ゲーム差に開いた。【石橋隆雄】