ソフトバンク柳田悠岐外野手(29)が自己最多を更新する35号ソロを放ち、念願だったシーズン100打点に初めて到達した。本塁打は10戦ぶり。左側頭部に打球を受け離脱した後では初のアーチ。通算150号にも王手をかけた。クライマックス・シリーズ(CS)に向け、頼もしい男の1発だ。連敗は2でストップ。3位日本ハムが敗れたためチームの2位も確定した。

しつこく攻められた内角を柳田が豪快に攻略した。6回、ロッテ種市の内角146キロ直球をフルスイング。打球はライナーで右翼ホームランテラスゾーンのフェンスに突き刺さった。「本塁打を狙っていました。最高。100打点でめっちゃ興奮しましたね」。打った瞬間、「ヨッシャー」と叫びバットを放り投げた。駆け抜けるようにベースを一周し、水上一塁コーチと力強くハイタッチした。

15年、17年と99打点でシーズンを終えた。15年は左膝裏に死球を受け、昨年は左脇腹を痛めた。「昨年、ケガした日の夜は覚えている。ケガに対して意識した。何でケガをしたのかと」。今季は95打点だった9月16日に左側頭部に打球を受け離脱。「だいぶ痛みはなくなった」と話すが、日々変わる打撃の感覚は、復帰直後は違和感もあった。

9月30日からヘルメットにフェースガードをつけて打席に立つ。同7日に試した時は振った後に左肩にヘルメットが当たると不採用だったが、今回別のメーカーのものがフィット。「(見え方は)一緒。かっこいいから」とお気に入りだ。

8回の第4打席は147キロ直球が背中に当たる死球。種市をにらみつけたが、謝った姿を見て一塁へ歩いた。「当たった瞬間めちゃ痛くて、イラッとしたが、すぐ帽子取ったし若い子だったんで」とこらえた。藤本打撃コーチは「内角攻めにイライラしていたらああいう避け方はできない」と、精神的にも技術的にも今季は内角攻めに我慢し、対応できていると話す。この日、2位が確定し、CS第1ステージは本拠地開催が決定した。工藤監督は「福岡でできるのでファンのみなさんにいいゲームを見せられるように」と話した。残り6試合、CSへ向け柳田もチームも状態を上げていくだけだ。【石橋隆雄】