白星締めじゃ!広島大瀬良大地投手(27)が5日、マツダスタジアムで先発陣とともに調整を行い、明日7日の今季最終戦DeNA戦に備えた。現在、リーグトップタイの15勝、勝率は同3位の6割8分2厘。今季エース道を歩む右腕が、最終戦登板でタイトル獲得とともに、クライマックスシリーズへ弾みをつける。

今季最終登板を2日後に控えても、穏やかな表情で調整を行った。14年の新人王以来となるタイトル獲得は目前。勝率はDeNA東と同僚ジョンソンの6割8分8厘を僅差で追う6割8分2厘、最多勝争いでは15勝で巨人菅野と並ぶ。仮に敗れても、投手部門2冠の可能性はある。ただ、タイトル獲得の意欲よりも、最後まで勝利に導く意欲をマウンドでぶつけるだけだ。

「ローテーションが回ってきた投手として、きっちり最後までチームが勝てるように仕事をしたい」

先発として「1年間ローテーションを守る」ことを目標としていた。2桁勝利を挙げた昨季も、終盤に調子を落として選手登録抹消を味わった。だが、今季は1度も離脱することなく、タイトルも手の届くところまで来た。

初戦先発が濃厚なCSファイナルステージへ向けた実戦最後の登板でもある。「CSに向けても最後になるのでいい形で締めくくりたい。しっかりゲームをつくりたい」。前回7回3失点だった9月30日巨人戦では変化球の精度に課題を残しただけに、重点的に調整を行ってきた。

DeNAはファイナルステージで対戦する可能性もある。今季すでに6度対戦し、2勝2敗、防御率1・77と恐れることはない。それだけに「シーズン中そんなに使っていなかった球種を使ってどう反応するか。普段と違う使い方をするか、やりようはある」とニヤリ。8月から試投するチェンジアップを多投する可能性もある。

エース道を進む右腕にとって、明日の登板はあくまでも通過点。ただ、タイトル獲得が新たな自信につながるに違いない。「僕の仕事はしっかりチームを勝利に導くことですが、自分に勝ちがつけばうれしい。意識することはないが、そういう立ち位置にいることは分かっている」。1年でたくましさも、落ち着きも増した。広島の勝ち頭が今季最終戦を白星で締めくくる。【前原淳】