阪神はルーキー島田海吏外野手がプロ初のサヨナラ打を放って、悪循環を断った。延長10回2死満塁。左腕砂田と対戦し、スライダーをとらえると、右前にはずむ決勝打になった。

お立ち台で「とにかく抜けろという思いで走ってました」と振り返り、さらに言う。「僕もずっとファームで矢野監督と一緒にやってきたんですけど、ファームの選手もみんな必死に1軍に上がろうとやってきて、僕もその中の1人だったので、ひとつの形として結果が出たのはとても僕もうれしく思います」と話し、宮崎で2軍日本一を達成した喜びを分かち合った。

プロ初打点が、まさにチームを救う一打になった。10月は白星なしの5連敗中だったが、ようやく勝てた。本拠地甲子園での連敗も8連敗(1分け挟む)で止めた。金本知憲監督も「連敗もそうですけど、甲子園で本当に勝てなかったので。今日は本当に喜んでもらえて、それが一番良かった。何より、ファンが甲子園で六甲おろしを歌えるのが一番うれしい」と胸をなでおろした。島田の殊勲打には「ああいう場面でルーキーがなかなか力を発揮できるものではない。いくら甘い球とはいえ、本当にあの場面でよく打ってくれました」と目を細めていた。最下位だが、5位中日に1ゲーム差に迫った。