巨人菅野智之投手(29)が、プロ入り初の2戦連続中4日での先発登板の可能性が15日、高まった。

前日14日のヤクルトとのCSファーストステージ第2戦で、ポストシーズン史上初のノーヒットノーランを達成。疲労を考慮し、状態次第で19日の広島とのCSファイナルステージ第3戦に中4日で先発が見込まれる。借金4、3位からの「ジャイアンツ・キリング」へエースのフル回転が欠かせない。

最善の手を打つ。偉業から一夜明け、菅野は投手練習を休養した。ここ4戦は中5日での先発を2戦、中4日での救援登板、そして中4日での先発とフル稼働。疲労を考慮してのオフとなった。高橋監督はこの日、次回登板について「頑張ってもらうしかない。きついのは分かっている」。エースに頼ることに、迷いはないことを示し、中4日を示唆した。

菅野もノーヒットノーラン達成の後に「高橋監督と1日でも長く野球できるように、最後までフル回転で頑張りたい」と宣言。もう、覚悟はできている。

ファーストステージ第3戦先発を予定していたメルセデスがファイナルステージ初戦に回り、第2戦は田口の先発が有力。V3王者には1勝のアドバンテージがあり、4勝が突破条件だ。万が一、1、2戦を続けて落とせば、後がない。崖っぷちでの第3戦に中5日の今村も投入できるが、エースを出し惜しんでる場合ではない。

菅野は昨季まで、先発登板から中4日での先発は15、17年に1度ずつの2回だけ。中5、6日時は前回登板翌々日が休養日だが、ともに前回登板の翌日を休養にあて、3日間の調整で臨んだ。今季の中4日での登板に向けた調整過程は、2度とも前回登板翌日は休養日。斎藤投手総合コーチが14日の試合後、「113球だからね。中4日? 俺たちは行ってほしいよ。(最終的には)体と相談しながらになる」と話したように、状態を慎重に見ながら、今回も“中4日仕様”の調整で万全を期す。

前夜の快挙が、ジャイアンツ・キリングへの道筋を明確にした。この日投手練習に参加したメルセデスが「テレビの画面越しにも熱は伝わってきた。波に乗りたい」と言えば、田口も「すごい、で終わらせないようしたい」と気持ちを高ぶらせた。菅野が引き起こした好循環を、さらに加速させる。【桑原幹久】