いざ勝負! セ・リーグ王者の広島が、今日17日開幕のクライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージで巨人と戦う。16日は舞台となるマツダスタジアムで全体練習を行った。1勝のアドバンテージがある緒方孝市監督(49)は、チームの仕上がりに手ごたえ十分。対巨人はレギュラーシーズンで、17勝7敗1分けと圧倒した。勢いを持って乗り込んできた相手を返り討ちにし、34年ぶり日本一への道を突き進む。

グラウンドに向かってベンチ裏の通路を歩く緒方監督は、既に勝負師の顔になっていた。この日は本拠地で最終調整。球団初のリーグ3連覇を成し遂げ、次なる目標である34年ぶり日本一への第1関門が目前に迫った。仕上がり万全。いざ、準備は整った。

「うん。1日1日、しっかりできたと思う」。今月7日の最終戦から9日間は実戦ゼロで調整。昨年に行った練習試合を組まず、投手陣や主力野手のみやざきフェニックス・リーグ派遣も見送った。実戦形式のシート打撃などを行い、ピークを合わせてきた。

初戦の先発マウンドには「投手陣の柱」と認める大瀬良を送り出す。「普段通りにやってくれたらいい」と信頼を寄せた。3連覇を実現したカープの野球を、ポストシーズンでも貫く。ただ「継投は早めになるかもしれない」と、常識的な範囲内で早めの投手交代をイメージ。セットアッパーのフランスアは「試合数が少ないし、いつでもいけるように準備する」とタクトに応える姿勢を見せた。

シーズン終盤に成績を落とし、やや心配されていた丸と鈴木も復調ムード。迎打撃コーチはこの日のフリー打撃の内容について「2人ともよく振れていたし、ボールをつかまえられていた。あとは本番に入って気持ちが入った中で冷静にやってもらえたら」と期待。指揮官はシーズン中に「タナキクマル」を解体したこともあったが、CS初戦のスタメンは1番から田中、菊池、丸の並びが濃厚だ。

「1戦1戦しっかりやるだけ」と、緒方監督はレギュラーシーズンでもよく用いる言葉で必勝を誓った。昨年のCSファイナルはラミレスDeNAに先勝しながら4連敗。同じ轍(てつ)は踏まない。高橋監督が今季限りで退任する巨人に、一丸野球で王者の力を見せつける。【大池和幸】