いきなり両大砲そろい踏みだ。広島丸が7回に上原から弾丸ライナーで右翼席に打ち込んだ。5-1とリードを広げる一撃。「久しぶりにいいスイング。風にも乗った」。4回に2ランを放っていた鈴木とアベック弾を決めた。

初の本塁打王は逃したが、自己最多の39本塁打を放った。だがシーズン終盤は失速。9日間の調整期間を利用してフォーム修正に励んだ。2年連続MVP候補の真骨頂は長打力だけじゃない。初回無死一、三塁は二ゴロ併殺崩れで先制の1点をつかんだ。「前に飛ばせば何とかなると気負わずいった。最低限」。第2打席は鈴木の2ランの前に中前打。3度も点に絡んだ3番打者の仕事ぶりは広島の強さの象徴だ。

「本塁打もですが非常に効率よく、終始うちの攻撃ができた。それぞれが役割を果たせたと思う」。好発進にホッとした表情ものぞかせた。【柏原誠】

▼広島は鈴木、丸が本塁打。広島の3、4番がアベックアーチはCSでは初めて。ポストシーズンでは西武との86年日本シリーズ第1戦で3番小早川、4番山本浩が放って以来になる。