ドミニカ・コンビで“ヤフオクの壁”を突き破る。「SMBC日本シリーズ」は今日30日の第3戦から舞台をソフトバンクの本拠地・ヤフオクドームに移す。1勝1分けで敵地に乗り込む広島は、サビエル・バティスタ外野手(26)、アレハンドロ・メヒア内野手(25)をスタメン同時起用する。セ・リーグのチームは13年第7戦からパ・リーグの本拠地で12連敗中。ソフトバンクもヤフオクドームでの日本シリーズで9連勝中だが、攻撃的オーダーで打ち破る。

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熱烈な地元ファンの声援に乗って、広島が本拠地1勝1分けの好スタートを切った。今日からは敵地での3連戦が待つ。本拠地シリーズで圧倒的な強さを誇るソフトバンクだが、その強固な壁を打ち破るためのプランが、今季3度目となるドミニカ・コンビの同時スタメン起用だ。

2人の打撃コーチが明かす。迎コーチは「(2人同時起用は)考えている。松山らも含め、最も点の取れる方法を考えたい」と攻撃的オーダーで臨む可能性を示唆し、東出コーチも「DHなら、外国人1人はスタメンで使いたい。打線の状態がいいだけに、思い切ったことが出来るというのもある。(同時起用は)ウチにとってはプラスしかないでしょ」という。パワーにあふれたドミニカン2人が期待通りに爆発してくれれば、シリーズの流れを今以上に引き寄せられる。不発だったとしても、タナキクマルに鈴木ら主軸打者も好調を維持しており、十分カバーできるという読みだ。

3戦目のソフトバンクの予告先発は左腕のミランダ。メヒアは、ミランダが来日後、初登板した7月の2軍戦で対戦。2回に満塁本塁打を見舞い、2回7失点でKOしている。バティスタはシーズンでチーム3位の25本塁打を放っており「状態はいい」と東出コーチも現在のコンディションの良さに太鼓判を押す。ドミニカ・コンビを同時起用するなら、格好のタイミングだ。

指名打者について緒方監督は「いろいろ考えている」と話し、候補について熟考中。もちろん、候補には松山や代打の切り札となっているベテラン新井らもいる。ギリギリまで最良の形を探り、本拠地で抜群の強さを誇る相手を打ち破る方策を練る。34年ぶりの日本一へ、やれることはすべて、やり尽くして臨む。【高垣誠】

◆鬼門のパ本拠地 日本シリーズでセ・リーグのチームは、13~17年に初めて5年連続で日本一を逃した。特にパの本拠地では13年第7戦から12連敗中。12連敗はすべて3得点以下に終わり、打開するためには慣れない指名打者をはじめ打線がカギとなる。ソフトバンクは中日との11年第7戦からシリーズ歴代2位の本拠地9連勝中とスキがない。

◆バティスタとメヒアの今季同時スタメン レギュラーシーズンでは2度あった。8月3日のDeNA戦(横浜)は延長で敗れはしたが、メヒアは先制2ランを放っている。同7日の中日戦(マツダスタジアム)ではバティスタが4打数2安打1打点で勝利に貢献した。