ソフトバンク・デスパイネが豪快に3ランを放った。6回2死一、二塁。広島岡田の外角151キロを逆らわず右翼スタンドへたたき込んだ。「大事な場面で打てた。こういう1本が出てうれしい」と、日本シリーズでは初めての1発に会心の笑顔だ。工藤監督も「あの本塁打で一気にベンチが沸いた。いけるという雰囲気をつくってくれた」と喜んだ。

下克上で2位から勝ち上がったCSでは8試合で打率3割6分4厘、3本塁打、10打点と大暴れ。だが、指名打者が使えないセ本拠地マツダスタジアムでの第1戦はベンチスタート。左翼を守った第2戦ではいきなり飛球を後逸してしまった。

「キューバでは左翼を守るし、指名打者は体が冷えるなど難しい」と話していたデスパイネだが、この日、本来の定位置指名打者に入り「ホームで今日は気持ちよかったよ」と喜んだ。前日29日の休みは、自らキューバ料理を作り、ミランダ、グラシアルに振る舞い、音楽を聴いてリフレッシュ。嫌なことは忘れて、活躍につなげた。

3ランで決着したかに思われた試合は、まさかの追い上げを食らった。「向こうの打線はすばらしい。最後まで油断できないよ」。キューバの大砲は勝ちながらも、広島打線に敬意を示した。第4戦、第5戦も気持ちを引き締めた男が、指名打者として暴れまくる。