“坂本2世”が本家超えを誓った。巨人からドラフト2位指名を受けた明秀学園日立・増田陸内野手(18)が1日、茨城・日立市内の同校で長谷川スカウト部長、青木スカウトから指名あいさつを受けた。

明秀学園日立の金沢成奉監督は青森・光星学院の監督時代に巨人坂本勇を指導。高校通算34本塁打の増田は走攻守3拍子そろった右打ちの遊撃手で“坂本2世”との呼び声も高い。指名後には同監督を通じた電話で坂本勇から「おめでとう。(新人合同)自主トレまでの期間が一番大事だからしっかり練習しよう。楽しみにしてるよ」と直接激励を受けた。2年目まで背負った背番号「61」を熱望し「プロの世界に入る以上は超えないといけない。目標にして超えたいと思います」と偉大な先輩超えを志した。

ただ、「ユーチューブやテレビでしか見たことがないです」と、まだ実物を見たことはない。1軍でともにプレーするイメージがわくかとの問いに「夢のようですね。まだ生で会ったこともないですし、実感というか想像できないです」と頭をかいた。

金沢監督はかつての教え子と重ね合わせる。「2人に共通することは野球に対する気持ちの強さ。そこは本当に負けていないし、劣らない。特に打撃に関してはいいものを持っている。あとは課題のスローイングがプロでどうやっていくか。坂本を出した時よりも少し安堵(あんど)感はある。ぜひジャイアンツさんには大きく育てていただきたいと思いますし、増田には今まで以上に野球に励んでほしい」と期待をかけた。長谷川スカウト部長も「見ていて躍動感がある。プレーを見ていてすごく野球が好きだな、野球小僧だなという印象をすごく受けました。新しく監督になった原も申しているように、のびのびとはつらつとプレーする選手という印象を持っています」と新体制にふさわしい選手だと評価した。

増田は中学時代に所属した大阪福島シニアでは大阪桐蔭主将の中川、ソフトバンク3位指名の早実・野村と同期。明秀学園日立へ進学し、1年秋から遊撃のレギュラーに定着した。3年から主将を務め、春のセンバツに出場。大会前に左手を痛めながらも3試合で15打数5安打、打率3割3分3厘、打点2と躍動。だが大会後の検査で疲労骨折していたことが判明。「試合前は練習したいタイプなんですけど、監督から『お前は絶対に大舞台で活躍するから、しっかり練習しておけ』という言葉を信じて、練習せずに試合に出ました。それでも活躍できたので、少し『持っている』のかなと…」とスター選手となるために重要な“鉄人”ぶりも兼ね備えている。

「トリプルスリーという目標を立てていますが、まだまだ実力もトリプルスリーを語れるような実力も持っていないので、しっかり努力して何年後からには目標を達成したいです」。打って走って守って、ファンを引きつける華麗なプレーを披露する未来の自分を夢見て、プロの世界へ飛び込む。