阪神が平成最後の東京ドームでの「伝統の一戦」で完敗を喫した。若き右腕、3年目の阪神浜地真澄投手(20)を先発に送り出したが、巨人打線につかまった。後続投手陣も打たれ、さらに打線も巨人のドラフト1位、高橋優貴投手(22)を打てなかった。シーズン最初の巨人3連戦で3連敗は28年ぶり。チームは4連敗で借金2となった。

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平成最後の東京ドームで残酷な現実を突きつけられた。伝統の一戦は巨人ナインの独壇場だった。追うはずが、中盤にトドメを刺された。3点ビハインドの4回2死一、二塁。浜地が坂本勇に外角高めスライダーを捉えられ、左中間に3ランを浴びた。巨人打線の勢いは止まらない。2番手望月も火に油を注ぎ、岡本、亀井に連続被弾…。ワンサイドゲームで敗れ去った。

ベンチの矢野監督も険しい表情になった。昨季、最下位から逆襲を期すはずが4連敗。借金2に増えた。先発陣が振るわず、慢性的な貧打が追い打ちをかける。矢野監督も「なんかねえ…。(打線が)これだけ悪いというのもちょっと、なかなかないと思う。そんなの言ってもどうしようもない。ファンに申し訳ない試合になって、申し訳ない」と謝罪するしかなかった。

巨人3連戦3連敗。シーズン最初のカードでスイープされるのは91年4月9~11日以来、28年ぶりの屈辱だ。清水ヘッドコーチも「キツイですけど、まだ始まったばかり。悲観的になっても何も意味ない。昨年最下位ですし、開き直ってここから頑張っていくしかない」と話すしかなかった。

守りでも、自ら勝機を手放した。1回、岡本に先制2ランを浴びた後だ。2死一塁でゲレーロのライナーは右翼へ。猛チャージする糸井は追いついてグラブに当てながら捕れない。失策こそつかなかったが、攻守交代できず。一、三塁になると、重盗を仕掛けられた。一塁走者ゲレーロが二盗を企てる。坂本の二塁送球を見るや、三塁走者亀井が本塁突入。坂本の送球は高く浮き、北條は本塁のはるか頭上へ悪送球…。不意を突かれて、みすみす追加点を許してしまった。

今週の巨人、広島の強敵との6連戦前、矢野監督は「次の1週間がいい目安。俺らが何を感じ取れて、次にどう生かしていけるかという週」と話していた。新生・原巨人との初対決は強力打線に押されっぱなし。それでも指揮官は「前を向いてやっていくしかない」と先を見据え、令和時代のチーム再建に全力を注ぐ。大きく負け越した平成の東京ドーム。最後まで鬼門のままだった。【酒井俊作】