日本ハムが楽天7回戦(楽天生命パーク)で、1イニング9得点などの猛攻をみせ大勝した。左太もも裏の張りから1軍復帰した王柏融外野手(25)が「5番DH」でスタメン出場。2回の第1打席で左前打を放つと、5回は先頭で四球を選んで出塁。決勝点の起点となった。好調な上位打線に加え、復活した台湾の大王が下位打線にも厚みをもたらし、16安打13得点。チームは貯金2で再び単独2位に浮上した。

   ◇   ◇   ◇   

1軍に帰ってきた「台湾の大王」が打線爆発の起爆剤となった。リハビリ中も「気を緩めることなくやってきた」という王柏融が、先制点の起点となった。5回先頭で冷静にボールを見極めて四球を選んで出塁した。続く6番渡辺が右前打でつなぎ、7番石井は犠打を決めて1死二、三塁。8番清水がきっちり先制犠飛を放ち、約2週間ぶりに戦列に戻った王柏融が決勝ホームを踏んだ。

軸となれる強打者が5番に戻り、打線に厚みが増した。5回は下位打線が連動して得点を奪い、試合の主導権も奪って大勝につなげた。金子打撃チーフ兼作戦コーチは「6番、7番、8番のところが相手を楽にさせると、ゲームが滞ってしまう」と話す。試合前までチーム総打点は135。6番から8番打者までの打点数は27で占める割合は2割だった。上位打線が打てなければ苦しい展開となる試合が多くなっていた。

この日は6番渡辺と7番石井が2打点、8番清水も1打点と3人で計5打点を挙げた。上位と下位をつなぐ5番に王柏融が戻って、理想的な攻撃が展開できた。王柏融は「本当にホッとした。全員で勝てた試合だと思う。これから、どんどん打っていきたい」と復帰初戦での勝利に笑顔。大量リードとなった8回の打席で代打が送られてお役御免となったが、存在感の大きさを証明した。

先発有原も8回1失点と好投し、投打ががっちりかみ合ってカード初戦をものにした。連勝も連敗も少なく、我慢が続いてきた日本ハムの戦いだが、2軍戦では清宮も実戦復帰するなど明るい材料がそろいつつある。栗山監督は「混戦のパ・リーグの中で、1つ1つ、みんなで、できることをやって流れをつくっていくしかない」。手応えを感じたからこそ、勝ってかぶとの緒を締めた。【木下大輔】