阪神糸井嘉男外野手が3安打3打点の活躍でチーム2年ぶりの交流戦開幕試合勝利を呼んだ。

豪快なアーチが飛び出したのは1点リードの8回だった。2死一塁でロッテ西野の内角球をさばき、右翼席へ4号2ラン。矢野監督が「(植田)海が代走いったことで(糸井)嘉男の本塁打が出たってこともあり得る。今日は(梅野との)あの2本の本塁打が、本当に効果的やった」とたたえたダメージ十分のアーチは、打った瞬間、それと分かる会心の打球だった。

1回には試合を動かしていた。無死一、二塁で涌井の直球を捉え、右前適時打。鮮やかな先制パンチを繰り出し「交流戦の初戦で、初回から先制することが出来て良かったです」。4回の三塁内野安打と合わせ、今季4度目の猛打賞。昨年の交流戦でチームトップの打率3割4分4厘を記録したスラッガーが、大勝の原動力となった。

試合後は言葉少なだった。「もう、今日は…」。チームでは9回に大腸がんからの再起を目指してきた原口が登場。心を打たれた1人でもある。「すごいことだと思います。感動しました」。チームメートの復活をしっかりと胸に刻んだ。

パ・リーグを知る交流戦での虎浮上のカギを握る男。エネルギーを快音に変える。