ソフトバンク工藤公康監督(56)が、球団史上最速で400勝目を挙げた。球団では秋山幸二氏以来5人目で、鶴岡一人氏の699試合を上回る664試合目での達成だ。

この日は初回に4点をリードされながら、打線と投手陣の粘りで4回に同点。8回には代打栗原の起用が的中し、決勝打が飛び出した。「選手が1試合1試合しっかり戦って、勝ちに結びついている結果。選手のおかげだし、コーチ、スタッフも日々努力してくれている。ぼくの勝ち星というより、みんなが積み上げてくれた勝ち星」。チームのみんなに感謝した。

15年の就任から4年で2度のリーグ優勝と3度の日本一。だが、リーグV奪回と日本一3連覇を狙う今季は苦難のシーズンを戦っている。柳田ら主力に序盤から故障者が相次いだ。それでも実績のない新人や若手を積極起用するなど、首位を守りながら、戦力の底上げに成功している。「奪Sh!」のスローガンの下で掲げた走塁改革も実を結んでいる。この日の今宮、明石の2盗塁で早くも昨季の80個を上回り、シーズン82個になった。「みんなが隙を突いて次の塁を取ってくれる。得点力も上がるし、相手ピッチャーのリズムも崩れる」とうなずいた。

苦戦続きだったロッテには、今季5カード目で初めてカード勝ち越しを決めた。「結構やられていましたので、ここで勝ち越すことができたのは大きい。勝ち越したからには、明日が大事になる」。鷹の歴史を塗り替えた名将は、いつものように勝ってかぶとの緒を締めた。【山本大地】