脳腫瘍からの復帰を目指していた阪神横田慎太郎外野手(24)が22日、西宮市内の球団事務所で会見し、今季限りでの引退を表明した。矢野燿大監督や阪神ナインが引退を惜しんだ。

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▽阪神矢野監督「去年2軍監督やってるときも、早く出てきて自分でやれることを目いっぱいやって、グラウンドでは一番誰よりも声出して、なんとか戻りたいっていう気持ちでやってる姿もずっと見ていた。「自分が頑張ることで(周囲の)励みにもなる」という思いが、あいつを突き動かしていたと思う」

▽阪神平田2軍監督「横田は悔しい気持ちでいっぱいだと思うよ。(入団年に)姫路で3発打ったり、入ってきた時のあいさつが九州弁でなまってたり…。思い出がいっぱいあるよ。鍛えがいがあったね。(復帰後は)早く来てブルペンでバット振ってたり、若い子たちは手本にしないと。試合中はベンチでも声出して、外野でも率先してキャッチボールしたり、目配り気配りが出来る選手だった。昨日は横田の顔が見られなかったよ」

▽阪神新井2軍打撃コーチ「試合に出なくてもユニホームを着て野球が出来ることが復活だよ、と話をしていた。あのひたむきな姿勢を見ていて、一緒に野球をしていて、自分自身初心にかえらせてもらえた。ポテンシャルもあったけど、やっぱりあいつの人間力じゃないかと思う。ここからの方がさらに大事だけど、あいつなら大丈夫だと思う」

▽阪神福留「まずは自分の体があってこそ、というのが第一だと思う。今まで助けてくれたご両親にちゃんと感謝して。自分の口から「ありがとう」という言葉を伝えなさいよ、と彼にも言った。どういう道に進もうと、僕は応援することは変わりないし。かわいい後輩というのも変わりない」

▽阪神梅野「担当スカウトも一緒だし、同期入団。病気と闘って、命から救われたというのが一番。九州の同じところから来て、自分は大卒であいつは高卒で、弟分っぽいかわいい後輩だった。寂しい気持ちはありますけど、今後も同じような付き合いをしていけたら」

▽阪神原口(自らも大腸がん手術を経験し、横田の闘病の思いを知る)「横田自身、1人で悩んで考えて出した結論。今年、僕もリハビリをしてて一緒に(練習を)やっていた。横田の一生懸命さは、誰もが見習うべきところだと思う。少し残念ですけど『お疲れさま』という気持ちです」

▽阪神高山(16年開幕戦で横田と1、2番コンビ)「寂しいですね。いつか一緒に、と思っていたんですが…。残念です。僕がいた寮の2年間はずっと一緒で部屋も近かったので、散々部屋を荒らしに行ったりしました(笑い)。一番横田らしいなと思ったのは、開幕戦の時にめちゃくちゃ緊張していて、子供に渡すサインボールを試合前の(自分との)キャッチボールの時に投げてきて(笑い)。プライベートでは今までどおり仲良くしていきたい」

▽阪神北條「僕の1人目の後輩だったので一緒にいる時間も長かったし、いろんな思い出もあります。本当にずっと一緒にいたという感覚。リハビリをしっかりして頑張っている姿を見て、僕自身も励まされました。あいつの分まで頑張ります」

▽阪神高橋遥「ものすごくいい人で、愛される理由が分かる。同級生ですけど、見習うところもいっぱいある。同じ時間に同じルーティンをしていて、朝もめちゃめちゃ早い。オフの時も朝起きたら、ヨコがもう動いていたりする。過ごしたのは2年ですけど、ひたむきさとか継続力とか本当にすごいと思う。寂しいです」

▽阪神熊谷「同級生としてすごく悲しい。僕が結果が出ない時、最初に声を掛けてくれた。プレーできない中でも、気遣いを率先してできる人でした」