阪神が大逆転のクライマックスシリーズ進出に向けて、4戦4勝を狙う。23日は甲子園で指名練習を実施。明日なき戦いに、矢野燿大監督(50)は腹をくくっている。

24日は甲子園で今季最後の巨人戦。年間で9勝15敗と煮え湯を飲まされた相手に一矢報いたい。矢野監督は「最後じゃなくても勝ちたい。いつでも勝ちたい。今年は特にやられている。甲子園での戦い。ウチは勝つしかない」と意地を見せるつもりだ。

CS進出の可能性は消えていない。この日、3位広島が中日にサヨナラ勝ち。阪神は4位に浮上したが、残された道は4戦全勝だけ。指揮官の口調は熱を帯びた。「ゼロで抑えれば投手やバッテリーにとっては大変なことだけど負けることはない。1点でも少なく、どう抑えていくかはウチにとっては必要なこと。ある意味でウチの強み」。守って、しのいで、抑えきる。超攻撃的な継投で挑む構えだ。

攻めの采配は前日22日のDeNA戦でも顕著だった。4回2死一塁で柴田を打席に迎えると、無失点の先発望月から能見にスイッチ。意地でも先制を許さない、強い意志が表れていた。12球団トップの救援防御率3・54を誇るリリーフ陣に命運を託す。

22日から先発要員のガルシアも中継ぎへ。1回無失点で白星をつかんだ。指揮官は「そんなにやっていないから簡単なポジションじゃない。なるべく先発のような形で投げさせるようなところで投げさせた方がいい」と説明。ブルペン担当の金村投手コーチも「ガルシアは基本はロング(リリーフ)で行けるようにしている。イニングの頭からが絶対条件」と明かす。

今後も非常事態に備えた勝負手で、他の先発陣の救援待機も検討する。矢野監督は「失点を少なくするのが勝つために一番必要なこと」と力を込めた。24日に巨人に負ければCSも完全消滅する。胸突き八丁の戦いで前だけを見る。【酒井俊作】