京大が同大に先勝し、00年秋以来、大学最多タイの4勝目を挙げた(82年の関西学生野球連盟発足以降)。

京大は春にも2勝しており、年間6勝も14年の最多に並んだ。もう1勝すれば記録更新だ。

10月7日の関学大2回戦から3連勝。00年秋以来19年ぶりの勝ち点2にも王手をかけた。勝ち点2で終えれば00年以来の最下位脱出が確定する。他大学の結果次第で、初の4位の可能性まで出てくる。

青木孝守監督(65)は開口一番「いや~、すごいですね」と興奮の口ぶり。快進撃の立役者は今季、エースにのし上がった原健登投手(3年=彦根東)だ。140キロに迫るキレのある速球に、得意のカットボールを正確に制球。4安打1失点で完投した。

春まで通算0勝右腕が変身した。元ロッテ田中英祐が14年春にマークした3勝に並んだ。「何勝目とかより今日チームが勝てたのがうれしい」と会心の笑みを見せた。

原は春季リーグの途中で右肘を痛め、8月まで登板を控えた。元ソフトバンク近田怜王コーチにボールを握る際の親指の位置を変えるよう指導され、肘への負担が減った。

元阪神の萩原誠トレーナーや、ベストナイン経験のあるOBで京大病院で肩肘の障害を専門にするチームドクター新井隆三さんら、多くのサポートを受けてきた。エース藤原風太(4年=東海大仰星)をはじめとした投手陣は、年々厚みを増している。

京大の入部生は高校時代に漏れなく受験勉強でいったんプレーを中断している。青木監督によると長く机に向かっていると胸郭が閉じてしまうため、新入生はそこを広げる作業からスタート。数カ月は本格的な投球をさせない。「投手は1球で終わってしまう。人数が限られているから、そこはすごく気を使う」と、貴重な選手たちの能力をじっくり引き出している。