将来、プロでバッテリーを組むであろう2人の対戦が実現した。ソフトバンク3位指名の東北福祉大・津森宥紀投手(4年=和歌山東)対ソフトバンク2位指名の東海大・海野隆司捕手(4年=関西)だ。

8-8の9回裏、1死二塁だった。サヨナラの好機で、海野は打席に向かった。それまでの4打席は変化球中心に攻められていた。「変化球で来るのは分かっていました。リーグ戦では、直球を打つことが多かったので」。津森は違った。初球から141キロ直球。インコースにズバッと投げられ、空振りした。その後も直球中心。「津森は、そういうやつ。直球で来るだろうと」。大学代表でバッテリーを組んでおり、性格を熟知。直球勝負を挑まれた海野も、思い切りのいいスイングで応えた。

フルカウントからの8球目。直球を引っ張り、三ゴロ。しかし、全力疾走。三塁からの送球に、一塁手の足が離れる失策で残った。結局、この回だけで東北福祉大は4失策。最後は2死満塁から津森の一塁悪送球で幕切れした。

試合には勝ったが、勝負には敗れた海野。津森との対戦は、3年春のオープン戦以来だった。「代表でもバッテリーを組んでいるので、球が速くて、動くし、暴れることも頭には入れてました。それでも刺されました。(プロで)バッテリーを組みたいですね」と率直に振り返った。

津森も「あの場面なので、絶対に抑えてやると思いました。最後の結果(一塁手の失策)に対しては、仕方がない。お互いを知っているし、バッテリーも何回も組んだことがある。1年目から2人で1軍に行きたい」と、海野との対戦を振り返りつつ、未来に思いをはせた。