リミッター解除だ。来季2年目のソフトバンク甲斐野央投手(23)が23日、ルーキーイヤー以上のフル回転を誓った。この日は山口・周南市で野球教室「ベースボールキッズ2019」に参加。ソフトバンクでの日本一、日本代表ではプレミア12を制しての世界一に貢献し、子どもたちにも大人気となった右腕は「プロの自覚」をより強めた。

シーズンでは主にセットアッパーで65試合に登板。ポストシーズン、侍ジャパンでも重要な場面を任された。「信じられないくらいのシーズン。1年目で日本一、世界一を味わえる選手はなかなかいない。幸せだと思う」と振り返った。

喜びをかみしめる一方で、満足しきれない部分もあった。「1年目ということで、配慮してもらった部分もかなりあった。今年は3連投もほとんどしていない」。首脳陣はルーキーの登板間隔などを調整し、3日連投は優勝争いを演じていた9月の1度だけ。それも2戦目に4失点、3戦目は3失点と打ち込まれていた。「連投しても大丈夫なように。ケガしない、疲れにくい体作りをしたい」。2年目は心配ご無用。しっかり体を鍛え直して、何連投でもOKな屈強ボディーに仕上げる意気込みだ。

プロで初めて迎える今オフは、工藤監督からもトレーニングのプランなどを提示される予定。1月は守護神森のもとで、合同自主トレに参加するつもりだ。20年東京五輪の代表にも期待がかかる快速右腕は「不安も半分ありますが、レベルアップのチャンス」と鍛錬の冬に臨む。【山本大地】