狙うは新球場開幕投手だ。日本ハムのドラフト1位、JFE西日本・河野竜生投手(21)が23日、札幌市内で正式契約を結び、新入団選手発表の記者会見に臨んだ。背番号は「28」に決定。1年目の目標を新人王と2桁勝利と公言している左腕は、北広島市に23年開業を予定している新球場の“開幕投手”に名乗りを上げた。

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新入団選手発表会見の席で河野が堂々と宣言した。「新球場の開幕戦で先発投手として投げられるように頑張っていきたい」。1年前の新入団会見で、1位の吉田輝が同じ「新球場開幕投手」を公言している。2学年下の右腕を意識するように「やるからには1番になりたいと思っている。勝ち抜いて、新球場の開幕投手を務められるように頑張りたい」と自らにカツを入れた。

北海道移転後の開幕投手は、日本のエース級が務めてきた。07年から5年連続でダルビッシュ(現カブス)、15、16年は大谷(現エンゼルス)が大役を担った。左投手では13年に武田勝、14年に吉川が経験。その1人が現投手コーチだけに「何十勝もされていて素晴らしい投手。同じ左投手としていろいろと得ることはあると思う。自分から積極的に学んでいきたいと思う」とどん欲に吸収するつもりだ。

入団会見は札幌市時計台で開かれた。同席した栗山監督は「時計台は元々演武場だったと聞きます。新しい北海道の演武場が23年にできると個人的には思っています」と、ルーキーたちの新球場での活躍を期待した。5年前、同じ時計台で入団会見した1位の有原は、1年目に新人王を獲得している。社会人NO・1左腕は「1年目からアピールして結果を残さないと。1年目から自分を出していきたい」と、即戦力という周囲の期待に応える覚悟を示した。

4年後の新球場開幕投手を争う吉田輝は、1年目の今季4試合11イニング登板に終わっているため、来季新人王争いのライバルでもある。好きな言葉は「負けん気」という21歳は「負けず嫌いなところがあるので、常に思ってやっていきたい」。日本ハムの未来のエースが北の大地で決意を固めた。【山崎純一】