ソフトバンク甲斐拓也捕手(27)が徹底マークで「嶋イズム」を吸収する。6日はヤフオクドームでトレーニングなどを行い、9日から沖縄でヤクルトに移籍した嶋基宏捕手(35)と合同自主トレを行う考えを明かした。「捕手としてだけでなく、人間的にも尊敬している」というベテラン捕手からすべてを学ぶべく、約2週間、ほぼ24時間付きっきりの時間を過ごす。

「嶋さんを見ていて『これが捕手なんだな』というのを感じた。負けているときでも若手より声を出して、ピッチャーへの声かけだったり、ジェスチャーもさすがだなと思った」。昨季まで楽天に所属し、同一リーグで敵として戦った嶋を特別な目で見ていた。「すごく尊敬している方。ああいったキャッチャー、ああいう人になりたい」。3年ほど前から自主トレ参加を希望し、昨年初めて弟子入りが実現。今年が2回目となる。

捕手としての考え方や配球面はもちろん、「どんな生活をしているのか、プライベートの姿も知りたい」と人間性にも興味を抱く。だからこそ、約2週間すべての時間をともにする。同じ宿舎で朝食を取り、球場への移動も一緒。練習を終えれば夕食をともにし、その後も部屋で野球談議を続けるという。

「優勝もしているし、きついシーズンもやってきている人。東北のため、震災の時の姿も心にくるものがあった。たくさんのことを経験している方。そういう方の近くでやりたい」。捕手嶋と人間嶋の極意を学び、正捕手の座をがっちり固める。【山本大地】