令和の怪物に、日本代表の扉を開放して急成長を待つ-。侍ジャパン稲葉篤紀監督(47)が6日、沖縄・石垣島でのロッテのキャンプを視察。ドラフト1位・佐々木朗希投手(18=大船渡)と対面した。吉井投手コーチからは東京オリンピック(五輪)を見据えた育成方針を伝えられ、指揮官も163キロ右腕を候補選手として捉えた。将来の代表のエースとして嘱望されるが、五輪イヤー前半戦の成長も注視する。

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稲葉監督からの“ラブコール”を受け、佐々木朗は「とてもうれしいですし、だからこそ今のうちに土台作りをやっていかなきゃいけないと思います」と表情を引き締めた。

日本一の投手を目指す過程で、日の丸のユニホームにあこがれがある。育てる側にも夢がある。吉井1軍投手コーチは「コーチとしてじゃなく、一ファンとして、ああいうすごい投手が五輪で投げる姿を見たいと思う。(五輪選出の)可能性があるなら、今の時点で全くないというのは違うかなと」と話す。

ロッテ首脳陣は、佐々木朗の公式戦デビューを焦っていない。東京五輪を戦うには相応の「実績」も求められる。選出の実現性は決して高くはないが、最速163キロ右腕は「もしかしたら」を感じさせるほどの逸材だからこそ、吉井コーチも五輪の話題に関して「リップサービス…でもないかな」と付け加える。

第3クールにも実現するブルペン投球に備え、佐々木朗もペースを徐々に上げる。6日はプロ入り後初めて、18・44メートルの距離でキャッチボールをした。「少し強めに」という吉井投手コーチの指示の下、3分間で11球。「いつもより近くて、投げていて気持ちよかったです」とうれしそうに話していた。【金子真仁】